ねむりのはなし [ねむりと上手に付き合う]

【季節とねむり】夏の寝苦しさにサラバ!睡眠環境メンテナンスはいかが?

2012年6月8日

梅雨や暑さを迎える前の、つかのまのさわやかな季節。晴天を利用して、寝具や寝室環境をメンテナンスしてみませんか?

布団干し

一晩でかく汗は約「コップ一杯」!

毎日使う布団や枕ですが、下着のように「使う度に洗濯」というわけにはなかなかいきませんよね。でも、実は寝具も下着と同様に、たくさんの汗を吸収しています。

睡眠中の汗は、運動時などにだらだらと流れ出る汗とは違い、無意識のうちに身体から蒸発(=不感蒸泄/ふかんじょうせつ)しています。一般的に、一晩でかく汗はおよそ「コップ一杯」分。さらに、夏の就寝時には約2倍以上にはね上がると言われています。

「寝汗」の意外な役割とは?

では、なぜ寝ている間に汗をかくのでしょうか? その理由は「体温を下げる」ため。そこには、コラム『体温と眠りのリズム。整えるコツは入浴にあり』 でお話ししたような、体温と睡眠リズムの深い関係があります。
人は、一晩中ずっと平均的に汗をかいているわけではありません。発汗は、眠りにつく際に集中的に行われます。全身の汗腺から発汗すると、その気化熱で体温が0.5〜1℃下がります。これは発汗することで深部体温をさらに下げ、寝付きやすくするための体の準備。この入眠のメカニズムを考えると、就寝時の発汗を極度に抑えてしまうような低温の睡眠環境はあまり望ましくないことがわかります。

快眠のためには温度よりも「湿度」に注目!

理想は、体を冷やさず、かつ汗を受けとめる吸湿性のよい素材や通気性のある寝具を用いた就寝環境。布団の中の温度は通年33℃前後と一年中ほぼ変わりませんが、湿度の方は大きく変動します。通常、快適な眠りが得られる布団内の湿度は40%~60%と言われているのに対し、夏季の布団内湿度はなんと80~90%。快適な眠りを手に入れるためには、温度を下げすぎずに湿度を上手に取り除くのが肝心です。

夏の寝具選び&お手入れのコツ

汗の多くは枕や敷き寝具・マットレスの方に吸収され、湿気も下へとたまっていきます。そこで、シーツやカバーを肌の接触面が少ないワッフル生地や麻などの夏用寝具に切り替えたり、通気性のよい敷きパッドやスノコなどを取り入れるのもおすすめです。

特別なアイテムを用意せずとも、こまめに寝具を干して湿気をとるだけでも快適さはぐんとアップします。ただし、素材によっては日に干すことを避けた方がよいものもあるのでご注意を。羽毛布団などは、室内の風通しのよい場所におき、湿気を飛ばすだけでも十分です。

体調や季節に応じて、肌触りの違う枕や寝具で睡眠環境を整えることは、よりよい眠りだけでなく、健やかな生活のためにも大切なこと。ぜひトライしてみてください。

【コラム執筆】

鍛治 恵(睡眠改善インストラクター・NPO法人 睡眠文化研究会)
NPO法人 睡眠文化研究会 http://sleepculture.net/

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