ねむりのはなし [ねむりと上手に付き合う]

「眠り」と「光」の心地よい関係。ポイントは“照度”にあり。

2012年1月20日

「徐々に暗くする」「暖色系照明」が快眠のコツ

快眠のための環境を整えるとき、「光」の環境はとても重要な要素になります。
明るい光は交感神経を覚醒させる効果があるため、よりよい入眠のためには就床時に突然照明を消すのではなく、徐々に暗くできるような照明が理想的です。

環境と照度

睡眠リズムを安定させるホルモン「メラトニン」は、入眠前から分泌がはじまりますが、500ルクス(通常の室内照明は約150~500ルクス)以上の光、あるいは波長の短い(青白い)光によって分泌されにくくなることがわかっています。こうこうと光る蛍光灯よりも、赤っぽい暖色系の照明を、直接光が目に入らない間接照明として用いる方が心地よい眠りには望ましいのです。

コンビニ、パソコン、スマホの光は脳を覚醒させる

例えば、24時間とても明るいコンビニエンスストアの照明は2500ルクス以上の照度があります。眠る前にちょっと立ち寄ったりすると、光の刺激によってメラトニンの分泌がしにくくなり、眠りに入るタイミングも遅れてしまいます。

帰宅前に立寄るコンビニや飲食店、眠るまでの時間を過ごすことが多いリビングなどの光環境も、睡眠に影響を与えているのです。また、入眠前にパソコンや携帯、スマートフォンなどのディスプレイを長時間見ることも脳を覚醒モードに切り替える要因になります。
スムーズに眠りたいときは、なるべく避けることをおすすめします。

就寝時の明るさは「月明かり」が理想!?

ここまで、明るすぎる環境が睡眠に向かないことをご説明してきましたが、実は、ただ暗ければいいというわけでもありません。睡眠中の寝室が真っ暗だと、心理的に不安感を持ちやすく、また、夜中に起きた時に周りが見えずに転んで危ないこともあります。

寝ている間は0.3ルクス程度の明るさ(月明かりレベル/何となく室内が見える程度)にするのがおすすめ。夜中、トイレ等で起きた際は、明るくし過ぎず、10ルクス程度の薄暗さにしておくのがよいでしょう。

心地よい目覚めは「明るさ」とともにやってくる

理想の室内照明でぐっすり眠れた朝は、明るい光を浴びましょう。2500ルクス以上の明るい光を浴びると、身体が朝だと感知し、体内時計をリセットする効果があります。

起きる前の目を閉じた状態でも、目は光を感知しそれによって身体は目覚める準備をします。遮光カーテンで真っ暗にするよりも、徐々に明るくなるような寝室環境で寝起きした方が、スムーズに起きることができるのです。

身体が朝を感知するのは、起床後だいたい3時間後までの間に浴びる明るい光です。つまり、休日の朝も、平日との差があまり大きくならない範囲の時刻で起きることが、体内時計のリセットに効果的なのです。

快眠のための「光環境」づくり、ポイントおさらい

【寝る前】寝室は暖色系の間接照明にし、寝室以外でも強い光を浴びないこと。コンビニ、パソコン、スマホなどの光は脳を目覚めさせてしまうので注意!

【就寝時】突然、真っ暗にせず、オフタイマーなどを使用して「徐々に暗くする」ことが大切。就寝時の照度は「月明かり」の明るさ=0.3ルクス。トイレなどで起きるときも強い光を浴びないように注意。

【目覚め】「曇りの自然光」の明るさが理想。遮光カーテンではなく、朝とともに自然に明るくなる生地を選択しましょう。

【コラム執筆】

鍛治 恵(睡眠改善インストラクター・NPO法人 睡眠文化研究会)
NPO法人 睡眠文化研究会 http://sleepculture.net/

 

参考:「眠り」と「光」の心地よい関係。ポイントは“照度”にあり。

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