ねむりのはなし [ねむりと上手に付き合う]

人間は寝だめできない!? 眠りを司る第2のメカニズムとは?

2011年11月25日

疲労を解消しようとする「ホメオスタシス」の働き

前回、眠たくなるメカニズムとして、体内時計のお話をしました。でも、私たちが眠ったり起きたりするメカニズムはそれだけじゃありません。今回は、眠気を生み出す“もう1つの仕組み”について探っていきましょう。

それは、「ホメオスタシス」と呼ばれる働き。日中起きて活動し、睡眠が不足してくれば眠気が増して行くという、ごく自然な生理現象を司っています。

睡眠で日中の疲労を解消する→起きて活動する→疲れたから眠くなる・・・という“眠りへの欲求(睡眠欲求)”は、この「ホメオスタシス」の作用が深く関わっているのです。

「ホメオスタシス」とは、本来、“生体の内部や外部の環境因子の変化に関わらず、生体の状態が一定に保たれるという仕組み”を指す言葉ですが、ここでは睡眠欲求をいいます。睡眠欲求が徐々に高まると、覚醒を維持することが困難=“眠い”状態になります。

食欲と同じように、睡眠欲求がどのくらい高まったか、ということが、眠たくなるかどうかを決める第2のメカニズム。それが「ホメオスタシス」なのです。

夕方以降のうたた寝=夕食前のおやつ?

睡眠は、食事と共通点が多い生理行動です。俗に「腹時計」と言われる消化器系の体内時計によって空腹を感じるように、睡眠欲求には一定のリズムを保っています。

間食せずにしっかりお腹を空かせて食べる食事をおいしいと感じるのは、このリズムを守っているからと言えます。この現象を睡眠に例えると、夕方以降のうたた寝は、夕食の前の間食と同じようなもの。日中しっかり活動して睡眠欲求を高めておくことが、ぐっすり眠ることにつながるのです。

体温の放熱と入眠の関係

週末の寝だめは、生活リズムを崩す!

“ため”が利かないことも、睡眠と食事が似ている点の1つ。
例えば2日分の食事を前もって食べておこうと思ってもできないのと同じように、2日分“寝だめ”しようと思ってもできません。

週末に、平日の寝不足を解消しようとことを「睡眠負債を返済する」という表現で呼ぶ場合がありますが、これはあまり有効な行為とは言えません。

週末や休みの日に、普段の睡眠不足を補おうとして爆睡してしまい、気がつくと昼をまわっていた、という経験がある方も多いと思いますが、寝だめするより目覚める時間のリズムを崩さないことが肝心。前回お話ししたように、眠りのリズムは朝の明るい光によってリセットされています。

できるだけ、平日と休日の起床時刻の時間差は、できるだけ2時間以内にとどめるようにすることがおすすめです。

【コラム執筆】

鍛治 恵(睡眠改善インストラクター・NPO法人 睡眠文化研究会)
NPO法人 睡眠文化研究会 http://sleepculture.net/

 

 

 

 

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