ねむりのはなし [ねむりと上手に付き合う]

満腹と午後の眠気は無関係!?リズムを整える昼寝のススメ

2011年10月14日

ランチの後の眠気からは逃れられない?

お昼ご飯を食べたあとで眠くなる・・・誰もが同じ経験をもっているのではないでしょうか。「多くの人はお腹が一杯になると眠くなる」と考えていると思いますが、実はそうではないのです。

昼食後の時間帯に感じる眠気は、食事とは関係のない、12時間ごとにあらわれる眠気のリズムによるもの。だいたい午後2時〜4時ころにかけて起こる自然な生理現象なのです。

「20分」の昼寝が冴えた午後を連れてくる

午後の眠気対策にオススメなのは短時間の仮眠。つまりは昼寝です。午後1時くらいから3時くらいまでの時間帯で20分程度の長さが推奨されています。これ以上の仮眠をとってしまうと、熟睡状態に入ったところから目覚めなければならないので、すっきりするどころか眠気が残って逆効果。夜の睡眠にも影響が出てしまいます。深い睡眠に入る前にすっきりと目覚めることが、仮眠後すぐに元気に活動するコツです。

世界の昼寝文化いろいろ

さて、午後の眠気は人類に普遍的な生理現象ですが、それに対処する方法は、実にさまざま。昼寝をする方法もあれば、おやつをとりながら歓談し、眠気をまぎらわせる休憩スタイルもあり、それらは生活習慣の違い、つまり「文化」でもあるのです。

台湾では学校や職場で昼休みに仮眠をとる習慣があります。南ヨーロッパや南米には「シエスタ」という昼寝の習慣があることはよく知られています。

江戸時代の日本に、「食後の一睡、万病円」という諺がありました。万病円とは当時万病に効くとされた丸薬のことで、食後の一眠りはどんな薬にも勝り、病気にかからない良薬であるという意味です。この他に、「昼寝は八朔まで、炬燵は亥の子まで」=「昼寝をするのは涼しくなる旧暦の8月1日頃までにしましょう」という意味の諺もあります。蒸し暑い日本の夏は、昼寝をして暑さをしのぎながら体調管理をしていた江戸時代の人々の知恵と言えるでしょう。

宗教観の違いが、昼寝観の違いを生む!?

昼寝は午後の気温上昇時には休んで体力を保持するという、環境に対応した生活の知恵である一方、同じような気候風土でも、宗教や生業形態によっても違いがあるようです。

タイやミャンマー、スリランカなど仏教徒が多く暮らす地域では、昼寝の習慣がないようですが、それは仏教の教えに、眠気は抑えるべき欲の一つだという考えがあることと関係しています。

世界にはさまざまな生活スタイルがあります。農耕が中心の地域では、休まず労働することが生産性向上につながることから、昼間の眠りについてはネガティブな評価がされるようです。それと異なり、牧畜を生業とする地域では、家畜の世話を中心とした暮らしの中で、昼寝をすることへのタブー視はあまりないようです。

【コラム執筆】

鍛治 恵(睡眠改善インストラクター・NPO法人 睡眠文化研究会)
NPO法人 睡眠文化研究会 http://sleepculture.net/

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