ねむりのはなし [ねむりと上手に付き合う]

【季節とねむり】「春眠暁を覚えず」の実態!しっかり眠れば花粉も怖くない?

2012年3月9日

春の寝過ごしは、季節の変化と体内リズムのズレが原因

3月の声を聞くと、気温が低い日でも、春の気配を感じますね。実際、日もいつのまにか随分と長くなっているし、朝、明るくなる時刻もどんどん早くなっています。この時期になるとよく耳にするのが、「春眠暁を覚えず」という漢詩の一節。実は、この言葉にはきちんとした理由があるのです。

 

私たちの睡眠リズムは、気温や日照といったさまざまな環境要因に影響され、絶えず変化しています。特に、四季のメリハリがはっきりしている日本では、季節の変わり目が睡眠や目覚めに与える影響が少なくありません。たとえば冬は、他の季節と比べて睡眠が浅くなりやすい傾向があります。理由は、日の出が遅いために体内時計がリセットされにくくなると同時に、寒さで身体が熱を手放さないため、深部体温が下がりにくくなるからです。

裏を返せば、春になり眠りが深くなるのは、冬の間に睡眠を浅くしていた要因が少なくなったということ。その結果、自然と眠りが深くなり、暁=朝日の光に気がつかずに寝過ごしてしまうことがあるのです。
つまり、「春だから寝過ごす」というよりも、「冬と比べて寝過ごしてしまいがち」というのが「春眠暁を覚えず」の実態なのです。

睡眠不足が花粉症に拍車をかける!?

春が訪れると、多くの人が悩まされる「花粉症」。実は、この花粉症の症状にも、睡眠が深く関わっています。

睡眠時間が足りないと、集中力の低下、脳機能の低下、循環器機能の低下、肥満といった様々な悪影響が現れます。そしてその中には、感染リスクが増大する免疫機能の低下も含まれています。つまり、睡眠不足の状態が続いて免疫力が低下すると、アレルギー性疾患の発症リスクが増えて、花粉症の症状が悪化しやすくなるのです。

また、この時期は季節の変化に加えて、転勤や就職、進学や引越しなど、生活環境が大きく変わる人も増えます。これらは、花粉症と同様にストレスとなり、身体機能や睡眠・覚醒に影響を及ぼします。季節の変わり目はもちろん、生活や環境の変化が集中する時期は、しっかりと睡眠をとり、意識的に体のリズムを整えていくことが大切です。環境要因と睡眠の関係に気を配ることは、コンディションを保ち、毎日を快活に過ごすためにも重要なポイントなのです。

そこで次回は、睡眠とストレスの関係、春の新生活に向けた環境の整え方などを具体的にご紹介します。

【コラム執筆】
鍛治 恵(睡眠改善インストラクター・NPO法人 睡眠文化研究会)
NPO法人 睡眠文化研究会 http://sleepculture.net/

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